2015 年 71 巻 2 号 p. I_945-I_950
北海道北東部に位置する阿寒湖に存在するマリモは,北半球の高緯度地方の湖沼や河川に広く分布する淡水緑藻の一種であり,糸状体と呼ばれる糸状の藻体が多数集まって球状の集合体を形成することでよく知られ,わが国では北海道阿寒湖の集団が国の特別天然記念物に指定されている.この回転運動を発生させる外力として,適度な波浪の関与が想定されているものの,その実態は十分に分かっていない.本研究の成果として,マリモが水中で回転する様子を湖底に設置したビデオカメラによって記録するとともに,波高計と風向風速計による風波の観測を同時に行い,数値計算モデルも利用することで,マリモを回転させる風波の条件を明らかにすることが出来た.