土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.31
外力再現計算を用いた西表島北西部海域におけるウミショウブ群落分布域の物理条件解析
中瀬 浩太村上 智一鵜飼 亮行水谷 晃下川 信也河野 裕美
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2015 年 71 巻 2 号 p. I_957-I_962

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抄録

 八重山諸島周辺海域を分布北限とする熱帯性海草ウミショウブは環境省RDBに絶滅危惧II類として掲載されているが,本種の分布・群落状態および生育環境の定量的条件に関する情報は乏しい.そこで西表島北西部のウミショウブ分布範囲について当該海域の通常の高波浪条件を用いた外力分布再現計算を行い,この結果と,同海域のウミショウブ分布の調査結果とを直接比較し,ウミショウブの密生かつ草丈の長い群落は,D.L. -0.76mまでの水深で, 通常の冬季高波浪時の平均有義波高25~32cm,平均底面流速11~19cm/s,大潮時平均残差流速0.1~0.3cm/sを中心とする範囲に分布していることが明らかになった. この条件を物理環境の再現計算結果に当てはめると,おおむね現状の群落分布が再現され,ウミショウブの群落分布には物理条件が大きく影響することが明らかになった.

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© 2015 公益社団法人 土木学会
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