2016 年 72 巻 2 号 p. I_115-I_120
海岸線近傍まで海底谷の発達した富山湾内の片貝川河口付近を対象として,衛星画像と1968~2014年に取得された深浅測量データを用いた地形変化解析を行い,2015年5月の現地踏査と併せて海底谷周辺での土砂移動の実態を調べた.片貝川河口の南側直近では,海岸線近傍まで深い海底谷が迫っており,片貝川の洪水時に供給された土砂が河口に堆積後,この海底谷へと落ち込んでいる.河口正面(No. 12付近)を通過して海底谷へと向かう沿岸漂砂量はほぼ0.6万m3/yrと推定された.