2016 年 72 巻 2 号 p. I_455-I_460
石炭灰造粒物はヘドロが集積する閉鎖性内湾などへの覆砂材として活用され,底質・水質改善効果が確認されている.石炭灰造粒物を浅場へ設置するにあたり,設置水深,断面形状などを設計するために,流れ・波浪による移動特性を把握し,数値シミュレーション等による移動予測が望まれる.本研究の目的は,砂礫と材料物性の異なる(比重が小さい,球形)石炭灰造粒物について,波浪による岸沖方向の移動状況を確認し,数値シミュレーションにより海浜変形の再現および浅場造成時の設計を可能にすることである.水理実験および平衡断面予測モデルによる再現計算の結果,混合粒径の石炭灰造粒物における海浜変形を予測でき,浅場設計へ適用可能となった.更に移動抑制を目的として潜堤を設置した水理実験と再現計算により,その断面変化を検討した.