抄録
新潟県内の諸海岸の砂の色彩の特徴を定量的に明らかにするとともに,それと海岸近傍に河口を有する河川の砂の色彩,その河川の流域や海岸周辺地域の地質特性との関係について検討した.同県内の地質構造は構造線や大地溝帯,火山岩類等の影響により極めて多様である.荒川以東の地域の海岸が,朝日帯の珪長質深成岩により県内で最も明るい色彩を持つこと,大地溝帯地域では米山の火山岩類や新潟油田地域の堆積層によって暗い色を持つこと,非アルカリ苦鉄質火山岩類が多い地域の海岸砂は茶色系統の暗色を持つこと等,地質特性が海岸砂の色彩に強く影響することが確認できた.