抄録
タイランド湾奥部において海岸侵食対策として用いられている海岸構造物の1つである竹柵に着目し,現地における竹柵の波高減衰効果の検証を行った.さらに,竹柵を模した丸棒を用いて室内実験を行い,その形状による波高減衰効果を検討した.その結果,現地の竹柵では24 %程度の波高減衰効果が見られていたが,その割合は年を追うごとに低下しており,これは竹柵の竹そのものが折れてしまうことにより生じたと考えられた.また,室内実験の結果より,周期が短い波の場合においては消波距離が長く,丸棒の交差配置であるほど波浪減衰効果が高く,最大約45 %の減衰効果が見られた.しかし,波の周期が長くなるほどその効果は小さくなり,消波距離,丸棒の配置にかかわらずその減衰効果は10 %程度にとどまることがわかった.