抄録
Google Earth画像はここ10年程度の期間における汀線変動を知る際にはきわめて有効であり,これまでも多くの海浜変形に関する研究において使用されている.ただし,撮影時刻が示されていないことから,汀線判読にあたって潮位補正を行うことが出来ないという大きな欠点を伴っていた.そこで,晴天時に撮影された画像には建物など背の高い物体の影が写っていることが多いことから,この情報を活用して撮影時刻を推定する手法を提案した.まず,長期にわたり撮影画像が蓄積されている仙台海岸を対象に同手法を適用し,既知の撮影時刻との比較により,推定時刻の誤差が最大でも7分ほどであることを明らかにした.その後にGoogle Earth画像への応用を試み,この補正の有無が中期的な汀線の後退・前進の判断に及ぼす影響を検討した.