2016 年 72 巻 2 号 p. I_562-I_567
本研究では水理実験を実施して,不規則波の人工リーフ堤体への作用時に基礎マウンド上へ設置される被覆材の有無,中詰工の粒径の相違が人工リーフの断面形状に及ぼす効果を検討した.その結果,被覆堤体と捨石堤体の断面形状の比較により透過率の低減には,波浪の作用に伴う天端水深の縮小のような形状的な変化が寄与した.また,今回の実験では捨石堤体の断面変化の規定には,相対天端水深によりも天端水深の絶対値としての距離が支配的であった.中詰工として一般的に用いられる自然石の質量範囲内であっても,被覆ブロックの転倒による中詰工の流出により,法肩周辺域では侵食域が拡大する可能性があることが判った.