土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.32
漁港施設における老朽化予測精度向上のための劣化促進暴露試験
藤田 孝康中村 克彦笠井 哲郎冨川 裕一丸山 敏生内田 智
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2016 年 72 巻 2 号 p. I_616-I_621

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抄録
 漁港施設の機能診断は,その簡易化や結果の精度向上,および老朽化予測の精度向上等,多くの課題がある.また,海水中の硫酸塩の影響でコンクリート自身が劣化し,時間経過とともに進行するとされ,長時間にわたる継続的な調査の必要性が指摘されている.
 本研究は,長期海水暴露の供試体の圧縮強度等の変化を確認し,非破壊検査で測定される動弾性係数,および機械インピーダンス値と比較することで,非破壊検査手法の精度向上への寄与をねらいとしている.海水暴露の条件下では,従来報告されている傾向と矛盾しないことを確認した.また,硫酸マグネシウムの添加によって,表面の劣化(剥がれ,流出)が発生し,その結果,供試体質量が減少することが確認された.さらに,動弾性係数,圧縮強度について,硫酸マグネシウムの添加により,劣化が促進される結果となった.
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© 2016 公益社団法人 土木学会
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