抄録
港湾構造物の主要な構造部材である鋼矢板等の鋼材の肉厚測定は,1施設の限定された数ヶ所で実施される.測定値はブロックごとの代表値と見なされるが,鋼材の腐食環境は延長方向および水深方向ともに均一でない場合が多い.そこで,限られた測定データから構造物全体の腐食傾向や分布が推定できれば,より詳細にブロックごとの耐力評価や腐食速度が評価できると考えられる.
本研究では,クリギング法を用いて,空間分布予測モデルおよび肉厚測定間隔に関して検討した.その結果,適切な空間分布予測には,ナゲット効果を考慮すること,理論バリオグラム関数は適用するデータに応じて選定する必要があるとわかった.また,検討対象とした施設では,測定点間隔が20m以下であれば,構造物全体の肉厚減少量の分布を予測することができるとわかった.