抄録
本研究では,有孔平型の被覆ブロックの下部裏込め材や基礎捨石の耐波安定性について実験的に明らかにすると共にその被災メカニズムについて考察したものである.下部裏込め材や基礎捨石の所要質量の指針としては,捨石傾斜堤に対するものがあり,漁港基準では表面被覆材の質量の1/10~1/20,港湾の基準では1/20とされている.本研究で対象とする被覆材は,法面被覆用の平型ブロックであり,揚圧力低減およびコスト縮減のため,その中央に比較的大きな円孔が設けてある.このような法面被覆ブロックで構成される斜面では,裏込め材が波の作用により飛び出しなどの被災を受けやすく,結果的に全体的な斜面崩壊へとつながることが懸念される.ここでは,有孔平型ブロックの裏込め材として孔径よりも小さな割栗石を想定し,各種の代表粒径の裏込め材に対する耐波実験を実施すると共に裏込め材の移動状況に基づきその被災メカニズムについて究明する.