抄録
ベトナム南部に位置するダラン川河口周辺海浜においては,近年,深刻な海岸侵食が見られる.ただし,侵食は限定された箇所に存在している.このような局所的な海岸侵食機構を検討するために,Google Earth画像を用いて汀線変動の傾向を解析した.その結果,汀線変動は河口開口部をはさんで左右岸において非対称であり,右岸で約5 km,左岸で約4 kmの範囲で汀線変動が顕著であった.その多くの区間において2009年から2012年の間に顕著な汀線後退が見られた.一方で,右岸で局所的に約1 kmにわたり汀線が前進する箇所が見られた.そこで,河口前面海域における深浅測量データとこの侵食・堆積との対応を検討した.その結果,ダラン川河口前面には沿岸方向4 kmにも及ぶ大規模な河口テラスが存在し,汀線前進を示す箇所は河口テラス縁辺部が汀線に接する場所に対応することが判明した.これは,河口テラスの縁辺部に沿って河口前面堆積砂が岸向きに回帰することを示している.