抄録
有明海東岸に位置する百貫港では浚渫土砂を有効活用し干潟・浅場を造成することにより生物生育環境を改善することを目的として百貫港海域環境創造事業を行っている.現在,投入した浚渫土砂に覆砂を施す工事を進めているが,熊本県内産の海砂採取が規制されたことから覆砂に代わる材料の確保が課題であるとともに,軟弱な泥質浚渫土砂の上に覆砂する場合には砂の食い込み等により本来下層にあるべき浚渫土砂の露呈が懸念される状況にある.このため,砂の代替として使用実績のある軽量な石炭灰造粒物を地盤安定材として試験的に採用している.本研究は地盤安定効果と底生生物生息基盤としての適用効果について報告するものである.