抄録
東日本大震災の発生を受けて,従来想定よりもかなり巨大な津波が来襲することが予測されるようになっている.本研究では,浮体式津波避難用シェルターの使用を含めたハイブリットな避難に注目した.既往の研究では,シェルターの挙動は大きく3パターンに分けられることが分かっている.
本研究ではフルード数によるデータの整理とシェルターにかかる波力の計測をし,シェルターを使った避難に対する評価を行った.その結果,写真解析と挙動解析からはパターン1が安定的であり,パターン2,3は不安定であった.しかし,津波によるシェルターの直接的な破壊という観点で考えると,波力からパターン1は非常に大きな値を示している.また,パターン2,3は比較的小さい値を示している.これらのことから今後最適な設置位置の検討が重要であると考えられる.