2017 年 73 巻 2 号 p. I_528-I_533
南大洋州の小島嶼国であるツバル国で顕在化しつつある海岸侵食や高波浸水被害に対し,礫と砂を用いた礫養浜を実証事業として実施するとともに,工事完了から1年以上にわたり,形成された浜での継続的な海岸モニタリングを実施した.また,同時期に隣接海岸にて実施された埋立て事業としての大規模砂投入後の海岸モニタリングも合わせて実施し,両者の海浜挙動の比較より南大洋州の小島嶼国での本工法の適用性,有効性を検討した.その結果,適度な砂止め用突堤の配置と自然海浜に近い断面形状で養浜断面を仕上げることにより,養浜後の海浜は高い安定性を確保することが現地で確認された.