抄録
平成28年台風10号による高潮・高波の実態調査およびその海浜地形変化への影響を調べるため仙台海岸において台風通過当日から翌日にかけて現地調査を実施した.その結果最大でT.P. 4m程度まで波浪が遡上したことがわかった.また,仙台新港周辺の海岸沿いの盛り土法先に大きな侵食が生じていた.蒲生干潟の前の砂丘部では越波が生じ,これにより干潟内に砂が輸送されたことがわかった.
空中写真による汀線変化の調査を行い,平均的に20~30m程度の汀線後退が生じたことがわかった.岸沖漂砂により概ね1~2か月で台風来襲以前の汀線位置まで回復したが,砂丘部に越波が生じた蒲生干潟や井戸浦周辺においては汀線の回復が遅い.河口や離岸堤に加えて2011年津波により海岸線に露出された構造物による沿岸漂砂の捕捉効果によりその漂砂上手側で汀線の回復傾向が大きい.