抄録
遡上帯から砕波帯内外にかけての一帯を対象とし,高頻度の表層底質採取により短期的な底質の岸沖方向移動動態の解明を目的とした現地観測を行った.波崎海洋研究施設にて岸沖方向の約50 m毎に異なる5色の蛍光砂を投入し,投入後1時間後から144時間後までに計7回,岸沖方向10 m毎にグリースを付着させた木片を桟橋より海底面まで降下させ表層底質の採取を行った.解析の結果,砕波帯内の底質は,1時間以内に汀線よりやや沖側からバー岸側端まで拡散することがわかった.また,この領域にて確認された蛍光砂分布重心の移動は,概ね砕波点位置の変動と一致した.一方,バーよりも沖側の領域での蛍光砂分布重心の移動は,沖波エネルギーフラックスと相関が見られ,低波浪時ではあまり拡散せず,やや高い波浪時に岸向きに移動することがわかった.