抄録
近年,浚渫土を浅場造成の材料として活用し,生物の生育地を整備する事例が見られる.この際,浚渫土は強度増加や施工性向上のために改質材を添加,混合して改質土とすることがあり,改質土には生物生育地としての安全性や適用性が求められる.そこで本研究では,浚渫土に製紙汚泥焼却灰を原料とする改質材を添加,混合した改質土を植物生育基盤へ有効利用することを目的として,淡水条件及び海水条件での植栽試験をおこない,供試土壌の強度,pH変化,および,供試植物の地上部の本数と草丈を調査した.その結果,改質土が植物生育基盤として適用可能であることがわかった.