抄録
桟橋上部工の点検に対しては,点検者の安全を確保しながら,限られた作業時間の中で個々の部材の劣化を確実に把握するための,より効率的な手法の開発が望まれている.著者らは,遠隔操作式の桟橋上部工点検用ROVを開発し,実海域試験により点検の効率性を検証した.実証試験より,開発装置の利用により目視調査の効率化が図れることが分かったが,開発装置を維持管理の現場に実装するにあたっての問題点が明確になった.これらの問題を解決するため,点検装置操作ソフトへの撮影漏れ防止機能の付加や,3D画像を利用した画像診断補助システムを構築した.