2018 年 74 巻 2 号 p. I_139-I_144
2011年3月に発生した東日本大震災による津波によって,仙台海岸の沿岸域は甚大な被害を受けた.大規模災害においては,長期的に復旧過程をモニタリングすることが,その後の復旧期間の短縮や復旧計画の再調整等の効率化に寄与することが考えられる.本研究では時系列かつ高詳細な調査に優位な特性を有する5時期の高分解能衛星画像を用いて,仙台海岸沿岸域の海岸堤防および復興道路,海岸林の復旧・復興過程を画像判読により調査した.加えて,高分解能な特性を有する地表の分光特性を利用した正規化植生指標値により,植生環境および植樹事業進捗に伴う沿岸域の土地被覆特性の変化過程を評価した.この結果,大規模災害における長期的且つ継続的な変化過程のモニタリングに有効に活用されることが考察された.