抄録
平成19年版の港湾の施設の技術上の基準・同解説において,骨組解析より求めた桟橋バネ定数を用いて桟橋の固有周期を算出する手法(以下,現行法)が示されている.しかし,現行法と2次元地震応答解析では算出される固有周期に乖離があり,後者が常時微動観測や強震観測とよく整合することが既往研究より指摘されている.また,現行法は地震動に関わらず一定の値を算出するが,実際には地震作用により桟橋杭周辺の地盤剛性が低下するため,同一の桟橋であっても地震動の強さに応じて固有周期は変化する.
本論文では,地震作用時における桟橋の固有周期や地盤剛性の低下率を地震応答解析により評価し,その関係性を整理することで,2次元地震応答解析と整合するように現行法を補正する手法(以下,補正法)を構築する.