抄録
ダム湖内の浚渫土砂を養浜材料として利用する場合,土砂に含まれる細粒分による濁りが沿岸漁業に影響を及ぼすとの危惧から,その実施が困難となる場合が多い.本研究では,これを科学的に明らかにするために,実例として養老川水系の高滝ダム堆砂を同じ房総半島にあり,侵食の著しい九十九里浜へ運んで養浜材に用いるとした場合の課題について検討した.ダム湖と九十九里浜の多数の地点で土砂を採取し,それらの質的比較を行った.この結果,高滝ダム堆砂は,シルト含有率が18.4%であったのに対し,九十九里浜の片貝漁港での含有率は最大でも3.9%であり,シルト分の含有率が約5倍大きいことが分かった.