抄録
昨今地球環境悪化に伴い,地球温暖化が進行している.日本を代表するサンゴ礁である石西礁湖は,2016年の夏に7割のサンゴが消滅する深刻な被害を受けた.著者らは,2007年から10年にわたる長期研究により,電源レスの流電陽極法を応用した微弱な電場発生(電場効果)(サンゴ幼生着生基盤)など造礁サンゴの再生技術(Galvanic Method for Corals;以下GMC)のサンゴ礁再生への有用性を実証した.
本報は,これまでの研究成果を基に開発したサンゴの再生を目的として,サンゴの生活史を考慮したGMC技術によるサンゴ生育棚(鉄構造)の開発について概説する.