抄録
本論文では,防波堤の耐津波対策の一つである,被覆ブロックに着目した.そこで,我々の研究グループが提案する,浸透流を考慮した被覆ブロックの安定重量算出式を用いて適当な形状を導き,水理模型実験によりその有効性を検討した.以下にその結果をまとめる.1) 間隙のある被覆ブロックは浸透流による被害が抑えられた.2) 脚の効果により,浸透流による滑り落ちるような移動が抑えられた.3) 本方法により算出された重量のブロックでは設定外力以下の条件で移動が生じる場合があり,算出方法に改良の余地がある.4) 被覆ブロックの水位差による浸透流に対する安全率を求めたところ,実験結果を適切に評価できることがわかった.