抄録
北海道南西部に位置する江良漁港(松前町)の港内蓄養施設において,人工種苗を用いたアサリ垂下養殖試験を行い,殻長の成長結果と餌料の供給量から,垂下養殖事業の可能性を検討した.その結果,生残率が良好であったこと,当該施設内への餌料は,成長効率を0.188とした場合,アサリの成長に十分な量が供給されていると考えられたこと,北海道南部および東部の干潟と同程度の成長が得られたことから,垂下養殖事業の実用化の可能性が示唆された.一方,道内の函館漁港内における垂下養殖試験に比べて成長が遅い結果となり,その要因を整理・解明するといった課題も得られた.