抄録
土木構造物の設計や施工において,N値や非排水せん断強さなどの地盤の強度や剛性に係る情報が重要である.これらと相関の高いS波速度を海底地盤から取得する技術として,海域へ適用可能な新しい表面波探査手法を提案した.現地試行により提案手法の有効性について検証した結果,得られたS波速度分布は,ボーリング調査および標準貫入試験によって得られた土質やN値の分布と概ね整合する傾向が確認された.当該手法を用いることにより,海底地盤の強度や剛性に関する情報を空間的に獲得して,可視化することが可能となり,港湾構造物や港湾施設のより合理的な設計や施工に向けての活用が期待される.