抄録
本研究では,2年間実施したUAV-SfM/MVS測量の結果より,井田海岸の体積変化量に基づいて養浜による井田海岸の海浜地形特性を考究するとともに,井田海岸に来襲する波浪の打上高と海浜変形の相関を評価した.その結果,高波浪来襲時に人工リーフ開口部背後地で侵食が卓越し,有義波周期12 s以上の長周期波が来襲すると広い領域で侵食が生じることが判明した.なお,近年実施している養浜によって,総体積量が増加したものの,大きい養浜材料によって井田海岸の前浜が急勾配となり,持続的モニタリングする必要性が示唆された.また,人工リーフ通過後の波の波向きを考慮した打上高算定式から井田海岸前浜に発生する海浜変形の最大標高を予測する可能性を示した.