2018 年 74 巻 2 号 p. I_689-I_694
ニャチャン海岸はベトナム・カインホア省に位置するビーチリゾートであり,国際的にも高い人気を博している.しかし,同地域がほぼ飽和状態にあり今後のさらなる開発が望みにくいことから,その北に位置するバラン海岸に開発の期待が寄せられている.しかし,バラン海岸の北側では沿岸の道路建設後,砂浜が消失した.このため,養浜の可能性を検討する前段階として,砂浜消失の機構を検討することが求められている.そこで,Landsat, Google Earth画像を用いて,バラン海岸における海浜変形の特性に関する検討を行った.その結果,2002年に実施された海沿いの道路建設により砂浜の湾曲が失われ,これにより道路建設区間の両端部に向けて沿岸漂砂が生じて,この区間の砂が失われたことが明らかになった.