抄録
Saipan島の西海岸沖ではリーフがよく発達し,浅い海が広がる.西岸沖には洲島(Managaha島)があるが,この洲島の北西端にある砂州ではかなり大きな汀線変動が観察される.2017年8月27日,この砂州の状況について現地調査を行うとともに,Saipan島周辺の波候特性を調べ,さらに衛星画像より洲島の汀線変動について調べた.この結果,砂州形状は4タイプに分かれ,砂州周辺では2-4月および10-1月にはNE, N方向からの波の出現頻度が高く,これにより洲島の北西端の砂州では左回りの,一方7-9月にはSW, S方向からの波の作用により右回りの沿岸漂砂が生じ,これらに伴い汀線の季節変動が起きていることが分かった.