抄録
漁港施設は,今後一層,老朽化した施設が増加していくと予想される.これらの診断は,目視が主体であるため,時間やコスト等の労力に加え,点検技術者による精度のばらつき等の問題がある.本研究では,点検技術者による精度のばらつき解消のため,弾性波伝搬の測定法のうち,入力点と測定点を対面配置する方法を用い,漁港施設内部欠陥を診断する方法について検討した.その結果,室内試験で内部欠陥を疑似的に配置した供試体を用いて,健全部と不健全部における弾性波を測定し,欠陥の有無で弾性波速度とパワー伝送比が増減することを確認した.また,これら2つの指標における評価によって,前者が4,400 m/s,後者が10.0 dBの交点で評価できる可能性を確認した.さらに,室内試験と同様の方法を現地既存構造物で試行し,概ね適用できることを確認した.