抄録
新門司沖土砂処分場3工区において,浚渫土砂を材料として作製された機械脱水処理土によって嵩上堤体が7年前に構築された.今後,浚渫土砂の投入にしたがって浚渫土砂面が上昇し,その圧力が堤体に作用する前に,堤体の性状と安定性を評価するために,表面波探査,ラジオアイソトープ機能を有するコーン貫入試験,3深度でのブロックサンプリングとその試料を用いた一面せん断試験等の力学試験を行った.
結果として,乾燥している表層部を除き,湿潤密度は設計時の値とほぼ同じであったこと,一面せん断試験の結果から得られた破壊線は,設計時の強度線よりも上位に位置し,安定性に問題ないことが確認できた.また,弾性波速度とせん断強さ,コーン先端抵抗とせん断強さの相関性はそれほど高くなかった.