日本教科教育学会誌
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中学校技術・家庭科衣生活領域におけるESD 授業実践研究
洗濯の学習における持続性概念獲得と中学生の意思決定
篠原 陽子
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キーワード: 家庭科, ESD, 環境, 衣生活, 洗濯
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2016 年 38 巻 4 号 p. 11-22

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抄録
平成20年学習指導要領で持続可能な社会の構築に向けて,ESD の視点をもつ教育の充実が図られている。本研究では,まず,平成20年中学校学習指導要領家庭分野衣生活領域の教育内容をESD の視点で捉え直し,構造化を試みた。これを基に洗濯の学習を再構築し,授業を開発し,実践した。この授業は,従来の洗濯の学習に,持続性概念と環境を捉える視点として,水環境や水資源の「有限性」,「循環」,「保全」を加え,生徒が自分の生活行為である洗濯と環境との関係から,ESD の視点をもったものの見方,考え方を知ることを目的とした。授業実践の結果は,①生徒の持続性概念(環境保全)の獲得が期待されるものであった。②洗剤の選定においては,平成10年学習指導要領のもとで実践した授業の結果と比較して,持続性概念(環境保全)の視点をもった意思決定が行われていた。今後は,持続可能な衣生活を営んでいくうえで,生徒が衣生活をより体系的に探究することができるように,必要な内容を開発し,授業改善を進めていく。
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© 2016 日本教科教育学会
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