2019 年 75 巻 2 号 p. I_127-I_132
UAV-SfM/MVS測量によって地形変化量を算定するには高精度な3Dモデルの構築が必要となるものの,解析時の設定によって構築されるモデルには差異が生じる.しかし,設定値の選択に一定の見解は得られておらず,作業者の判断に委ねられている.本研究では,礫浜を対象としたUAV-SfM/MVS測量における最適な解析方法を検討するとともに,2年間にわたる観測結果から現地海岸の短期的・長期的な地形変化について波浪情報と併せながら考究した.その結果,写真の撮影位置の推定処理が構築される3Dモデルの精度に影響を及ぼすことを明らかにした.また,現地海岸では,高波高・長周期の波により侵食し,低波高・長周期の波により堆積する短期的な地形変化特性があることを示した.