2019 年 75 巻 2 号 p. I_19-I_24
本研究では,津波に伴う大規模渦に関する水理模型実験を対象に,海岸・海洋工学分野で使用頻度が高い3次元数値解析モデルであるOpenFOAM,CADMAS-SURF/3D,T-STOCを取り上げ,各モデルの比較検討を実施した.はじめに,OpenFOAMを用いた水理模型実験の再現計算を通じて,計算精度に影響を及ぼす移流項の差分スキームについて検討を行った.その結果,高次精度の差分スキームを使用することが計算精度の向上を図れることから,本研究ではCADMAS-SURF/3DとT-STOCに対して2次精度風上差分スキームを導入して,解析モデルの比較検討を行った.その結果,流動場の時空間変化に差があるものの,各モデルは水理模型実験をおおむね再現できることを確認した.