土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.35
陸奥湾と仙台湾における周期数時間の副振動
仲井 圭二橋本 典明額田 恭史
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2019 年 75 巻 2 号 p. I_307-I_312

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抄録

 陸奥湾と仙台湾に出現する周期数時間の副振動の特性を明らかにした.陸奥湾では,この副振動は年間を通じて存在するが,振幅は冬に大きく夏に小さいという季節変化を示し,風速の季節変化と良い相関を示す.スペクトル解析によると,周期5時間前後に2個のピークが存在し,そのエネルギーの季節変化は異なる.仙台湾では潮位偏差が高まる際に周期3時間程度の副振動が発達する.湾内の仙台,石巻,鮎川では振動の位相が非常に良く一致しているが,湾外の地点ではこのような振動はみられない.潮位偏差が大きい時と,大きくない時の周波数スペクトルの比をみると,周期3時間程度の成分の増幅率は他の成分よりも際立って大きく,潮位偏差が大きい時にはこの成分が特に発達していることが分かる.

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© 2019 公益社団法人 土木学会
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