2019 年 75 巻 2 号 p. I_37-I_42
洋上風車支持構造物の終局限界状態設計のため,響灘を対象として,発電中の高波浪時海況SSSを評価した.まず,過去の高波上位30擾乱に対する気象・海象シミュレーションを実施して風速と波高の散布図を得た.次に,逆一次信頼性解析法(IFORM)によって,10分平均風速と有義波高の組合せの再現期間が50年となる風速-波高関係(環境等値線)を評価した.その結果,風荷重応答が極大値となる定格風速付近でのSSS波高は50年確率波高よりも低い値となること,カットアウト風速を超える擾乱の直後は発電を再開しないことを考慮すれば更なる設計波高の低減を通じた合理化・経済化が可能となることがわかった.