2019 年 75 巻 2 号 p. I_379-I_384
津波に対する防波堤の安定性を強化するため,防波堤背後に腹付マウンドを設置する工法が進められている.この工法に使用されるマウンド上の被覆ブロックの所要質量は提案式によって算定可能であり,式中に含まれる実験定数である被覆材の安定数は各種ブロックについて示されている.しかしながら,腹付マウンドの天端が津波越流時に没水する条件が主対象であり,干出する条件については検討が不十分であるため,本研究では水理模型実験によって干出型腹付マウンドの被覆ブロックの安定性を検証した.その結果,被覆ブロックの安定数は没水の条件よりも低下することが確認された.また,被覆ブロックの形状による安定数の違いや対策による安定性の影響について考察した.