2019 年 75 巻 2 号 p. I_569-I_574
杭間固化改良工法は,組杭周辺地盤にセメント固化改良を施工するものであり,組杭の横抵抗増加を見込まれて考案された新しい工法である.本研究は,杭間固化改良工法の実施工に向け,控え組杭式矢板式岸壁における効果を大型模型実験により確認することを目的としている.そこで,実構造を想定した断面を1/30スケールで再現し,水中振動台による加振実験を行った.実験結果から,矢板と共に控え工近くの背後地盤が海側に移動する場合においても杭間固化改良によって矢板および組杭上部工の水平変位が低減され,実構造物においてもその効果が期待されることが示された.