土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.35
漁港施設の機能診断のための固有振動特性の適用性検証
梅津 啓史藤田 孝康三上 信雄斎藤 将貴三神 厚不動 雅之井上 真仁笠井 哲郎
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 75 巻 2 号 p. I_575-I_580

詳細
抄録

 漁港施設防波堤は大部分が水面下にあり,基礎部分の欠陥などの機能性の診断は陸上目視では把握困難なことが多い.そのため,防波堤上部工での自由振動計測から固有振動数を特定し基礎部分を評価する手法が検討されている.しかし自由振動では,現場で固有振動数の特定が難しいという課題があった.本研究では,固有振動数の特定方法として,強制振動による共振曲線から求める手法を提案し,室内試験と現地試験で適用性を検証し,漁港施設の機能診断への有効性を検討した.その結果,室内試験により,固有振動数は圧縮ばね個数に依存し理論値と相関が高いことが確認された.また、現地試験から,強制振動による手法の方が確実に固有振動数を特定可能なこと,固有振動数の違いによる欠陥推定など機能診断における評価に活用可能なことがわかった.

著者関連情報
© 2019 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top