2019 年 75 巻 2 号 p. I_695-I_700
日本の海水浴場における溺水事故の主要因は離岸流である.溺水事故防止のため,わが国では海水浴場にて監視業務を行うライフセーバーが離岸流の発生箇所を確認し,遊泳客に注意喚起を行っている.しかし,大勢の遊泳客に対してライフセーバーの人数が不足していることや離岸流発見の難しさから,溺水事故を未然に防ぐことが難しい.よって,離岸流事故を防止するためには,ライフセーバーや海岸利用者があらかじめ事故が発生しやすい条件を把握していることが重要である.本研究では,外洋に面し,離岸流が発生しやすい条件にある千葉県御宿中央海水浴場を対象として,離岸流事故発生時の気象海象データを用いて,統計的解析により離岸流事故の発生特性を明らかにした.