2019 年 75 巻 2 号 p. I_905-I_910
軟弱な浚渫土を有効活用することを意図し,実工事での適用が進められてきたカルシア改質土については,混合直後から施工時,施工直後の動的条件下における環境影響に関する研究例が少なく,その適切な評価方法が見当たらない.本研究では,既往のマニュアルで示されている静的条件下でのpH溶出試験,シリンダーフロー試験に対し,小型水槽を用いた動的溶出試験,落下条件を取り入れた動的シリンダーフロー試験を考案し,それらの有効性について実験的に検討した.
侵食が生じるような初期の条件下では,濁度-pH履歴は閉曲線と初期への回帰傾向を示すことがわかった.また,落下高さを変えた際の動的フロー値は浚渫土,カルシア改質土いずれも線形的な変化を示した.その近似式からカルシア改質土の静的,動的な流動性の変化の指標を提案した.