土木学会論文集B3(海洋開発)
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和文報告
2019年9月台風15号による神奈川・千葉・茨城の高波被害および東京湾の波浪追算
高木 泰士Md Rezuanul ISLAMLe Tuan ANH高橋 篤平杉生 高行古川 郁貴
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2020 年 76 巻 1 号 p. 12-21

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抄録

 2019年9月9日に東京湾を直撃した台風15号の調査結果を速報する.神奈川では相模湾側で大きな高波被害は生じていなかったが,東京湾では直立護岸を乗り越える越波で被害が生じていた.千葉では九十九里浜ビーチ内の施設が被害を受けていた以外,目立った高波被害はなかった.一方,強風被害は激甚で,屋根の飛散や電柱の折損など各地で被害が生じていた.茨城でも高波被害は見かけなかったが,防波堤が堅固であることや,震災後の堤防改修が強靭化に寄与している.波浪追算の結果,ピーク波高は横浜で3.4m,東京や千葉で2.6mと推算された.湾内で急速に発達した高波が1m以下の高潮と相まって局地的な被害をもたらした.関東に上陸した過去の台風との比較では,今次台風はゆっくりと進んだ小型で強い台風と特徴づけられた.

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