2020 年 76 巻 2 号 p. I_103-I_108
防波堤などの外郭施設は,港内の静穏度を向上させる反面,港内水域の閉鎖性を強め,港湾内外の海水交換を阻害するなど,港内の水質汚濁の原因となりやすい.近年,港内水域の環境改善策の一つとして,波運動を原動力とする海水交換促進型防波堤が提案され,現地で実用に供されるようになってきている.本研究は,従来において施工実績が多いスリット壁を前面壁とするスリット型防波堤を対象に,その遊水室下部に新たに通水路を設けることによる海水交換促進効果の実態を実験的に明らかにする.この際,防波堤の重要な機能である反射・透過波の制御効果についても理論と実験により検討する.