2020 年 76 巻 2 号 p. I_97-I_102
著者らは,既存の護岸に円柱状のものを係留する低コストかつ簡易な越波対策工を提案して,将来の実用化に向けた基礎的な検討を進めている.本研究では,簡易越波対策工の越波低減効果および係留索に作用する張力について水理模型実験により検討した.その結果,本実験の範囲では,簡易越波対策工により60%程度の高い越波低減効果が期待されること,係留索に作用する最大張力は有義波高にほぼ比例して増加すること,一波毎の張力の発生確率密度分布は,入射波高が小さい場合は正規分布に従うが,波高の増大にともない,張力の大きい側に裾が長く歪んだ分布となり,大きな張力の発生確率が高くなることなど,本対策工の実用化に資する重要な知見を得た.