土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.36(特集)
斜積消波ブロック護岸の越波特性と海底勾配の影響に関する一考察
鶴江 智彦青木 健太松下 紘資安田 誠宏
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2020 年 76 巻 2 号 p. I_109-I_114

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抄録

 海岸護岸の設計では越波流量を許容値以下に抑えることが重要だが,親水性や景観面への配慮から天端高をできる限り抑えることが望まれる.護岸の前面海域への拡張に制限がある場合は,消波ブロックを積み上げて形成される直立消波ブロック護岸が適用される.著者ら1)は,これまでに2種類の斜積消波ブロックについて,直立護岸と越波特性を比較検討しているが,海底勾配は1/30に限定されている.そこで本研究では,新たに海底勾配1/10における水理模型実験を実施し,海底勾配の違いによる越波特性を比較した.実験の結果,菱形開口部を有する斜積消波護岸は,蓋型の天端工にした場合,越波低減効果が高くなった.また,海底勾配が大きいほど堤前の反射率は低下し,越波流量が増加する傾向がみられた.斜積消波ブロック護岸の異なる海底勾配における越波流量と打上げ高を求める算定式および算定図を提案した.

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