2020 年 76 巻 2 号 p. I_25-I_30
近年,食の安心・安全への関心の高まりから,多くの産地で衛生管理型漁港の整備が進められている.衛生管理対策により得られる効果については,これまで様々な分析手法により定量化が試みられている.しかし,従来の分析手法は,漁獲量の変化に伴う需給バランスによる偶発的な単価変化が十分に考慮されていないという課題があった.
そこで本研究では,近年,衛生管理型漁港の整備数が増え,比較可能なデータが蓄積されてきたことから,因果関係を統計的に分析する「差分の差分分析(Difference-in-Differences)」を行い,衛生管理対策が魚価変化に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.これらの分析により,衛生管理対策による効果の定量評価ができた.