2020 年 76 巻 2 号 p. I_666-I_671
海上工事において,施工時の波浪は作業者の安全や施工精度に大きな影響を及ぼすため,波浪状況を把握することは重要である.最近では,浮標の画像解析を用いた簡便で安価な波浪計測手法が開発されているが,この手法では波向きを特定できず,計測された波浪が施工場所へ来襲しない可能性が指摘される.本研究では,浮標の画像解析によって波向きを算定する手法の提案を目的として,実海域で実証実験を行った.その結果,本手法が真値に対して概ね±22.5°となる精度を有し,施工位置への波の来襲判断に適用可能であることを確認した.