2020 年 76 巻 2 号 p. I_726-I_731
良質な砂の入手が困難な地域において,航路や泊地等の浚渫などで発生する粘性土を使用して埋立地盤を造成する場合,埋立施工時の地盤の安定性や将来的な圧密沈下量に関する検討が行われる.検討に際しては,海中に投入された粘土の土層構成を含む堆積形状を事前に把握する必要がある.本研究では,遠心模型実験で土運船から投入した粘性土の堆積特性を評価し,土層構成を含む堆積形状を解析する手法を提案する.提案する手法には,土源情報,湿潤密度,写真等の情報から土質特性を推定する人工知能技術を導入する.実際の埋立おける投入記録に基づき,提案する解析モデルを適用するとともに,深浅測量結果とコーン貫入試験結果を用いて堆積形状や埋立層内部の強度分布の評価精度を確認し,適用性を検証した.