2020 年 76 巻 2 号 p. I_85-I_90
空港施設など制限表面により護岸の嵩上げが難しい状況において,消波工と護岸の間に切欠きを設けなければならないことがある.このような特殊な形状の消波工断面について,大きな遊水部を持つような場合の研究は実施されているが,比較的小さな切欠きを有する消波工断面での研究例はほとんどない.本研究は天端の後端に三角形状の切欠きを有する消波工の安定性および越波特性を明らかにすることを目的として水理模型実験を実施し,消波工を乗り越えてきた水塊の影響により天端後方法肩付近の消波ブロックが被害を受けやすいこと,越波量については,切欠きがある場合は切欠きがない場合に比べて越波量が増加することを明らかにした.