2020 年 76 巻 2 号 p. I_905-I_910
UAVによる撮影画像から,北海道オホーツク海沿岸部(汀線より沖側,海岸方向300mの範囲)での海氷サイズの統計的性質や,フラクタル次元等について調べた.本研究で対象とした海氷サイズは,最大65mまで分布しており,平均2.14m,中央値1.19m,5mまでのサイズがおよそ9割を占め,その頻度分布はかなり正に歪んでいることが特徴であった.すべての海氷サイズをカバーする統一的なフラクタル性が見られず,3つのサイズ区間でフラクタル次元が定義できた.その複数のフラクタル次元及び確率分布モデルから海氷サイズをシミュレーションする方法を示し,氷の模型実験や数値シミュレーションによる,海氷サイズの分布や不均一性を考慮した,アイスジャム発生予測など工学的諸問題に資する基礎的知見を得た.